混乱必至の定額減税

清々しいGWを憂鬱な気分にさせてくるれのが、6月から始まる定額減税

一人当たり、所得税から3万円、住民税から1万円のあわせて4万円が減税になります。

確かに減税はありがたいです。でも、でもですよ!!

給与計算の現場は、混乱必至です。

会社員の場合、その定額減税のしかたが給付ではなく、所得税は6月以降支払いの給料から源泉徴収される金額を調整して行うという非常に面倒くさいものです。住民税は、市町村の方で計算してくれるからよいのですが・・・

天引きされる所得税から引ききれない場合は、繰越、繰越で年末調整時点で引ききれない部分は給付になるとのこと。しかも、大企業で、6月に高いボーナスが出るところは1回で所得税を引き切ることができるかもしれませんが、日本の大多数は、中小企業が圧倒的です。確かにその分所得税がまだ発生していないと言われれば、それもそうなのですが、半年以上も減税の時期がずれるなんて、やはり不公平なことだと思います。

6月1日時点で扶養されている国内居住の親族の分も対象になるため、もう一度扶養控除申告書で扶養親族(今回は、いつも税金の計算には含めない16歳未満の扶養親族なども対象になります)を確認し、個人別に月次減税でいくら差し引きしたかの源泉徴収簿をつけていかなければなりません。

給与計算のソフトが入っているところはまだしも、いまだに手計算で表とにらめっこしながら給与計算をやっているところも結構あります。必ず何らかの間違いが発生しても不思議はありません。

2か月程前、税務署から定額減税のしかたという16ページもあるパンフレットが送られてきました。また説明会もそれぞれ何回か管轄の税務署主催で開かれるようです。各企業にパンフレットを配り、会場を借りて説明会をするのだって、余計な費用(税金)が使われているのではないのですか。

とある顧問先の事業主さんは、人手不足で現場で一緒に作業をしなければいけないときに、説明会に時間を割いてわざわざ行っていられるかとのこと、また年末調整で全部やろうと思っているという事業主さんもいましたが、それはできないようです。こと、給与計算の担当者はいつもない事務が増えて憂鬱の一言につきるとのこと。

働き方改革などといっておきながら、国民に余計な作業負担や心理的な負担を強いるようなやり方は、本当に好ましくないと思います。会社の給与担当者が、他の従業員に制度について質問されたときにきちんと説明できるかどうかも不安の種になっているようです。

減税の建前を保つためだけに、バラマキと言われようが、同じ時期に国民みんなに給付形式の形で減税で良かったのでは?また年末調整で引ききれなかった分を給付にするのであれば、最初から全部給付にすれば手間がかからず、間違いも起こらず良かったんじゃないですか?

本当に今からでも、バラマキと言われようが何だろうが、減税の建前を保つためだけの減税方式ではなく給付方式に変えてほしいです。選挙対策の一時的な政策で国民を振り回すのはやめてほしいものです。